もういない
もういない
もういない
もうひとりいたはずの自分に、
かける声を失った男。
時間を閉じ込めた糸をぷつりと切った。
もう、いいんじゃないかな。
そう言って。
そのうなじのあまりの美しさに
わたしは。
すでに失われた光をあなたの悲しみに見い出してしまった、わたし、の手を
どうして
引き上げてそっとほほ笑むことができるのですか
もういない
もういない
もういない
もうひとりいたはずの自分に、
かける声を失った男。
時間を閉じ込めた糸をぷつりと切った。
もう、いいんじゃないかな。
そう言って。
そのうなじのあまりの美しさに
わたしは。
すでに失われた光をあなたの悲しみに見い出してしまった、わたし、の手を
どうして
引き上げてそっとほほ笑むことができるのですか