顔、偶像、フェティッシュ

意味表象ではなく、その場で沸き起こるアクチュアリティのあるムード（顕われ　エピファニー）を求めるアーティストなら、麻薬の様に胸をときめかせる素敵な思索の記録エッセイ。
驚くような内容はないけど、自分の考えていたことをそのまま文章にされているような部分もあり、なんだかほっとする。
アーティストに対する励ましに思える。読ませる。

何も共有していない者たちの共同体

p.80　無償で浪費される、力の感覚
p.78　価値を表す語は、記憶によって維持されている場のなかでの差異の差別化ではない。それは記憶の力に依存する結果ではなく、忘れる力を生み出す生成そのものなのである
p.83　肯定的で能動的な価値語は、社会化された生活の習慣、つまりコミュニケーション・システムである言語ゲームのなかに、その用途を見いだすことはない。呪文のなかにみずからを登場させながら、偶像は他者に対しては無言である。
p.87　価値を表わす語はすべて、ありあまる力を聖化する。この力の聖化によって、生ける有機体は、みずからの環境の諸力に包摂されている状態から離脱し、みずからが属する守への従属を強いる再生産の命令に服従している状態からも離脱する。

しかし。ポエジーはグリッサンのが上かなぁ。