昔、自分の書いた走り書きのメモを見る。いくつか面白いことが書いてある。
その頃の自分曰く、「とにかく、初期値」だそうだ。「ベクトルだ」とかそんなことらしい。
「作用は、像を結ぶための力学的な補助線」
とか
「祈り カオスの見せる関係のランダムな様相に対する、矢印のイメージ」
とか。よく分かるような、分からないような。危ないメモ。
現在、『三点の寓意』という点描をモチーフとしたシリーズ作品のアイデアを抱えている。
三点を設定し、初期値をあたえ、
・無関心
・にらみあい(不動)
・閃光(線的)
・余波(全方向的)
のいずれかの状態をつくる。(点描シリーズへの基礎部分のメモより)
それらの組み合わせによって、単純な関係から複雑な関係性までを同じフォーマットで一画面に収める。
余白をつくってキャリブレーションを起こす間の時間をなるたけ長くして、しかも、徐々にその差を少なくしていく。できるだけ。
その差の中で、価値の発生する瞬間を観察する。
鑑賞者の中に、寓意が発生すれば、目的は達成。
私を励ました一文
閃光とは、不可能な、来るべき全体性を欲望する者、あるいは夢見る者の、震えだ。持続は、さまざまな人々の歴史が一つに集って夜明けを迎えようとするとき、全体性を生きようとする者を励ます。
関係の詩学 グリッサン ISBN:4309903959 P.48