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Ne me laisse pas seule.



一年はあっという間で、とても永い。
去年の今日の私よりも、Griefが深まっている事に気付く。
私はこの一年で、何を見て、何を知った?何を読み、何を捨てた?
それで良かったの?それは大事な事だったの?それは?それは?と問いかける。
 
問いかけを通じて、自分の事をいろいろ思いかえしてみると、私、あげるのが好きみたい。
「これをあげよう。」
とか、
「これをつかえばどうかな、あ、かえさなくていいから。」
とか。実物が無いものまであげたりしたね、ありもしない星をでっちあげて捧げて。
 
生まれてこのかた、「あげる」をめぐって同じところをぐるぐる廻っていて、一周ごとに背中のものが増えていくように思う。どんどんあげているのに増えていくとはおかしな話なんだけれども。
背中のものは重くない、でも有る。有るものたちはみな優しく、背が重くならないようにしてくれる。その気遣いのおかげで私は一歩先に進める。
またぐるっと一周すると、一つ、有るが増える。有るが多いと私は楽しい。でも、私がうめき声をあげる。何故?と問うと、こう言うのだ。
『これが、ずっとずっと、続くの?』
 
そんなのまっぴらごめんだ! と言う私がいて
でもこれこそが自分の選んだことでしょう? と言う私がいて
そんなのはただの思い込みだろう と言う私がいて
有るを全部捨てて1から、と言う私がいて
それができない自分がいて、
有るの優しさは本当の優しさではないと知っている自分がいて
でもそれに頼らないともう立ってもいられないことも知っていて、
滅私せよ、そんなの無理、つなげよ、そこにだれもいないのにか、産め、会った事のない者に与えよ、奪うな、死ぬまでは死ぬな、歌え、戦え、笑え、、、と続いて行く、自分と自分と自分のボールの投げ合い。
 
ただそれだけの事に、毎晩泣き暮らし、ただ増えていく不毛な万年筆の跡は意味をなさない。
 
ちょっとつかれた、と倒れ込む私を支えるものはなく、
夜の浜辺で倒れ込んだまま、頬に触れる砂の粒の冷たさに耳冴え、目を閉じて少量づつ外耳に流れ込む水の音を聞いていると、私も大きな水の中のただ一滴のものであるという事だけは間違いがないように思えてくる。
いずれはわたしも、今もわたしは、その一部であるのだから、おそれる事は無い。
  
 
まだ見た事のないそんな景色が、私が祈りをささげる場所であれば、と願う。
 
 
 
万年筆を手にとり、ノートを一冊おろして、一筋目の線をひく。
また別の一歩。間違ってても良いから。