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インデクス

図書館の中、本棚の間、じいっと本の背を見ながら横へ横へと移動していく。
目についた本を手にとり、目次を見る。
章のタイトルで気になるものがあればそのページを開く。はじめ数行と最後数行を読む。
また棚に戻す。
それを繰り返す。


何度も図書館の中を歩き、くりかえす。
別の図書館にも行ってみる。規模の違いで分類がどのように変わるのか、選ばれる書籍の違いはなにか。
どこの図書館にもかならずある書籍は何か。
その図書館にしかない分類項目はないか。


図書館の分類法が理解でき身体になじんだら、今度は書店に行ってみる。
書店の棚の分類と図書館の分類法の違いは何か。書店の所有する書籍と図書館の所蔵する書籍の違いは何か。
書店の棚にならぶ書籍の順列と、図書館に並ぶ書籍の順列にどのような差があるか。


書店の書籍は、より新しい物が群れをなしてこちらに顔を向けている。
どのくらい時が経てば新着書籍は棚に収められ顔を隠すのか。
どんな要素をもった書籍が返品されるのか。
どんな要素をもった書籍が再注文され棚に戻ってくるのか。


今度は家に帰り、自分の本棚を見つめる。
自分はこれらの順列に意識的か、そうでないか。
もしそうであるならば分類の要素は何か。
そうでない場合はどうして意識的でないのか。


自分の本棚を並べ替える。
何回も、いろんな分類法で、いろんな位置で、いろんな形で、いろんな気分で、いろんな相手に、いろんな時刻に、、、。
そしてそれが際限のないことを確認する。



これは、フレームを理解するための練習である。



ものごとを理解するために必要な「枠組み(フレーム)」は、大量の本のタイトルインデクスとその分類法の理解によって得られる、と私は思う。


枠組みがあれば、実際に自分の本棚の順列を決めるときのような身近なことにも、シミュレーションしかできない宇宙のひだの謎のような想像上のことまで、同じ態度で臨む事ができる。