エルヴィン・シュレディンガー『生命とは何か』
1951・1975 岩波新書
Erwin Schrodinger : The Tacit Dimension
岡小天・鎮目恭夫訳
◆http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1043.html
「生きている生物体の空間的境界の内部でおこる時間空間的な現象は、物理学と化学によってどのように説明できるのか」
「生物は負のエントロピーを食べている」
私もこの一文でたまげた。『精神と物質』とかむさぼり読みました。
ショーペンハウアーによって東洋哲学や仏教哲学にふれたシュレディンガーは、なかでもヴェーダンタ哲学が提示した「梵我一如」の思想に感動する。
どのように感動したかということは、本書『生命とは何か』のエピローグにも語られていた。シュレディンガーは物理学者としてつねに決定論と闘っていたのである。
輪っかなのに閉じてない「系」。
決定論では片付けられないと直感的にわかってるのに、それを科学的に明確に説明する手立てが未だないという意味で、まだ現在でも乗り越えられない問題だ。ううむ、、、。
ミクロコスモスとマクロコスモスがどこかで近似しうるということだった。「私」と「量子レベル」を一緒に語ろうとすることだった。いや、もっと重要な思想も引き出した。それは多くのインド哲学理論では、「私」は複数か、もしくは複合的であるということだ。
いろんなシステム論にも通じるね。これは理解できます。