「・・・をする」という目的に際して行動する、ということは、社会性の求められる行為である。
幼児期よりつみあげられてきたスキーマの複雑な組み合わせや関連の中で、
目的に達するまでのプロセスというものは意識にのぼらない。
（いちいちそこまで考えていたらやってられない、、、事実。）
「クローゼットからスカートを取り出す。」
これはクローゼットである。そこから今日着るスカートを取り出す。
という行為を行う際に実際に意識されている情報はどんなものだろうか。
そのクローゼットの素材は？トビラの開閉の機構は？洋服の分類方法は？今日の気温や湿度は、それに適した服の素材は？
ああ、目的に近いものだけでも考えればキリがない。
それに加えて、窓の外に鳴く鳥の声や、隣の家から香る珈琲の香りまで。
「スカートを取り出す」
この行為の中で切り捨てられたわたしたちの「生活」の膨大な情報。
この中に、大事なものはないか？
