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ダイアログ・イン・ザ・ダーク

ダイアログ・イン・ザ・ダーク、飛び入りで参加してきました。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク
http://www.dialoginthedark.com/index.html

打ち合わせおわりに側を通りかかって、あ、やってるのかな?ってほんと軽い気持ちで覗いたら、ちょうど開始10分前くらいのタイミングで、さらに、空きありますよーって。やった。
 
私含めて四名の参加者とアテンドさんの五名で、完全な暗室、真っ暗闇の中を約二時間、触覚:杖や手で探ったり、聴覚嗅覚を活かして、自分の感じたものやっていることに声を出して、対話しながら空間を経験していきました。
声を掛け合い、触れ合い、アテンドさんの声のする方へ進む。
もし一人でこの空間に入ったとしたら…?
 
足元には段差や岩があったり、ブランコやベンチ、いろんなものが置いてある。ずんずんすすむとゴッチンとぶつけてしまう。
そろそろとふみ出す一歩の距離の小ささ心もとなさよ…。
 
今は空間が夏のしつらえになっていて、がさがさ揺れる笹とか、草むらの匂い立つ青みとか、虫の声とか、屋台の飾りとか、水の冷たさとか。いろんな要素がある。どんどん親密さを増す会話。
さらに喫茶店コーナーでは味覚まで!おまけのバニラアイス、甘くておいしかった、ふふ。
 
 
いろいろと対話しながら進んでいると、自分が視覚に頼り切っていることをまざまざと感じる。今経験している空間を言語化したりマッピングしたりするときに、視覚イメージのインデクスに結び付けないようにする経験が乏しいからうまくいかない。心もとなさの大元かも。
 
以前、友人の筆谷くんが開催したワークショップ(http://d.hatena.ne.jp/rokaz/20110220#p2)で、すべてがモノクロに見える色味がない空間を経験したけど、その時は、『色がないけどなんとなく直感的にこれ赤じゃないの?とかわかってきたぞ、もしかして、もののサーフェスが表出してる視覚以外の色の情報ってあるんじゃないのー? そのセンサ磨けばモノクロ空間でも色がわかっちゃうかも?!』という感想を抱いていたんだけど、私は甘かった。間違ってた。
今回経験した全暗空間の元では、それもまた視覚からの情報なのだと実感したから。
たぶん視覚情報のなかで、差異差分をセンシングして色味を類推してたんだ…。
  
自分が、グラフィックデザインを生業にしているのって、ほんと視覚優位で。その暴力性を知ってるつもりはあったんだ、けど、けどね。結局"見える"という前提での世界認識、多数派の中でやってるんじゃん、ということをすぐ忘れてしまう。
もちろん紙の触覚とか、水分とか、重さとか、すごく気にして選んでるつもりだけど、それでも全然ぬるいんやろうなぁ。
 
 
アテンドさんに、書籍に所有欲を抱いて購入することはある?って質問してみた。
文章が点字になった本で読むけど、これ好きって思った本は、文字を黒インクで印刷した本も買うことがあるんだって。それは、この本よかったよ、ってひとと共有したい時にこれこれーって見せたいからなんだって。あぁ、そうかぁ!って声をあげた。たしかに友達に勧めて、いろいろ語りたいよねえ。鈍ってる私には、すぐには立てない場所だった。
不躾な質問だったけど聞いてよかった。
 
あと、ほんとに純粋に好きだから持っていたい、っていう本もあるんだって。手触りとか、形とか。
私はそれを聞いて、あぁ絶対マテリアルまで完璧に抜かりなくがんばろって思った。
 
 
いやぁ、唐突に参加を決めたけど、たのしかった。
今度は誰か友だちと一緒にいってみたいな。