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景色というもの

本屋で人はどのように本を選んでいるのだろう、という友人のメモを読んで、書いてみた。




二点、思った事がありました。


1)
本って、中を開いて文字を読んでその文意を読み取らない限り、タイトルや装丁、帯などしか「情報」は得られない。(この際の情報という語の定義に関してはパス)
だから、書店において本を選ぶというのは、ある意味では「本当にその本」を選んでいるということにはならないんだろうなと思う。
サムネイルのようなものからその本の内容であろう情報を想像して、「ああ、これが私の探していた本かもしれない」と思ったりする。(ま、外れる場合もあるけど、それもまた楽し。)


そこでは装丁者や編集者に、「本当にその本」の情報を伝えるという編集力が問われる。
これは、私が今年一年大学で教えようと思ってきたテーマに近いなーと思う。



2)
ふたつ目は、場所の問題だろうなと思ったこと。それを少し書きます。


あることに知的興味があって、それに関する本を探す場合は、その興味をキーワードとしていくつか思い浮かべて、それを探して行くのだろうと思うけれど、そうではなくて、漠然と書棚の間をうろついて書籍をピックアップして行く場合には、場所の力が働いているだろうな、と思っています。


記憶の達人が言うには、何かを覚えるときには場所情報を関連させると良い。らしい。
例えば、円周率を記憶しようという時に、町を散歩しながらその場所の景色と関連させて覚えると、格段に覚えが良くなると言う。


場所には「景色」というものがあって、それはその場所の気配や景気という意味で、人はその気配に大きく影響を受けている。


同じものなのに、場所が変わると違ったものに感じるという効果がある。
例えて言えば、本屋でみかけるのと、ネット上で見かけるのと、道ばたでみかけるのと、同じ本でも印象が変わる。とかね。


またさらに、本屋の中には空気の流れみたいなものがあって、気持ちよい空気が流れている場所もあれば、淀んでいる場所もある。淀んでいる場所には人が長居しないし、風のない場所には人も流れない。レジあたりで見てて、とても面白いですよ。


本屋で何に目がいくか、は、その本の周辺にある景気(情報)が関連しているなーと思う。
実はそのメインの情報よりも、周辺情報によって行動や感情って変化しているのではないかとすら思う今日この頃。




走り書きにつき、乱文失礼。