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袖ふれあうも他生/多少の縁

電車の中で、とあるおばあちゃんと、魔女的通信を行った。
やっぱり妖力の強い人と出会うと感応してしまうのか、普段閉じてる私の魔女チャンネルが開く。


電車で乗り合わせた瞬間に、こっちにせまってくるすごいベクトル感をキャッチ。警戒しながらそっちをちら見すると、向かいの座席に、ひとりのおばあちゃんが座って居る。『あ、あの人は強い。』と直観的に判断する。
気付かない振りをして本を読む。というか、もう気になって本を読む振りをすることしかできない私。
数分して、おばあちゃん席を立つ。とたん、話しかけられる。
『きたか』、と思った。
見た目は普通なおばあちゃん。だけど、確実に妖力が強い。普通はそういうのを苦笑してやりすごす私でもわかる。
唐突な声かけ。戦いを挑まれるのかと思ったんだけど、私はそういうのは好みじゃない。笑顔で応対する。内容はささいなもの。降りる駅の確認とかそういう内容。
だけど、その間でホントにやりとりされているのは、そんな内容とかじゃないんだ。
もっといろいろ、ダークな。非言語的な。
押し引き。私はなるべく直立であろうとする。ちょっと引く。
やってる間は楽しかった、かなり。こういうコミュニケーションができる機会もそう滅多にないなぁと笑えてきた。
おばあちゃんも、ちょっと楽しそうだった。
席にもどるおばあちゃん。一旦2人の関係線は切れる。
数分後、希望の駅についたおばあちゃんは、もういちどこっちに近寄り、私の膝を「とん」と叩いた。
 
あ り が と う
 
私は、心底面白い気持ちになった。こうやって人というのは出会って別れてるんだ、なんて一般論を思い出して、心から微笑んだんだよ。本当に、そういう笑いの止まらないものなんだ、魔法っていうのは。