仕事の休憩中、食べるものを捜し求めて歩き回る。
近所のおしゃれなカフェもレストランもファーストフードも定食屋も行き尽くした。
今日はそのどれもが私の欲望にフィットしない。
困ったなー困ったなーとふらふらしていると、ふと目にとまった「かっぱ」の文字。
あー、かっぱ寿司。回転しているすし屋に一人で入るまいと思って今まで避けていたけど、一回くらいチャレンジするのも悪くないかもしれない。
ということで、入ってみました。
店に入って早々、「お一人で?」とたずねられ、軽くへこむ。しぶしぶ「はい」と答えると、店員さんも軽くばつの悪い感じで、いーちばん奥のカウンターに案内される。
周囲をみまわしてみても、一人客はいない。そうよ私が『うわさの「おひとり様」』よ!あはは。しばし自虐的な気分を味わいながら、回転するレーンに目をやる。
回転すし屋に入っても、まずレーンが一周するのを見届けるまでは一皿目に手を伸ばすべからず。これは私の信条。
今日の予算は500円前後。完璧なネタのコースを頭の中に描いてから一皿目を取るのよ。
、、、、、ない。なんか、全然、一皿目にしたいネタが、なーい!
二週目突入。まだ手は伸びない。と、隣に男性の「おひとり様」が登場!!!わーお、やった。おひとり様仲間が出来たわ。そう思った瞬間、目の前に現れたネタ「あなご」。
これだっ!
私はすっと手を伸ばす。すると、隣の「おひとり様」は「しまった!」みたいな顔をした(ような気がした)。
?と思いつつ、「あなご」を食べ始めると、隣の「おひとり様」はおもむろに注文用のインターフォンを押し、、、
「あなご、三皿」とひとこと!!!!!!
私は、溢れる笑いを必死に押しとどめて、ぱくぱくと「あなご」を食しました。もう隣の人の顔は見られない状態。
もっとゆっくりと食べたかったけど、面白すぎたので、完璧なネタコースなんてそっちのけで、目に付いたものを食べ、そそくさと店をあとにしたのでした。
またチャレンジしたいような、もういいような、、、、そんな冒険話。