電車、と打ちたくて、どんし、と打ってしまっており、知らぬ間に 鈍重 と予測変換されている。は、は、脱力。
穏やかなラテンしかリズムが入ってこない。
目覚まし時計をとめたあと、20分くらい二度寝をした。その時の夢をもう一度見たい。
窓に頭の重みを預けて目を閉じる。文字から文字の光に、それが海に。
その、書きあぐねた文字が欲しい、と、二人のリラックスした風体の若い男性があらわれ、私は当惑している。これは私のものではありませんから。と言う。ではこの単語帳から選びなさい、と渡される黒い小さなリングで綴られたカードは、捲ってみるとたくさんの水辺の風景写真がインクジェットプリンターで刷られたもので、パラパラしていると、携帯電話にメールがあり(その文言を覚えていない)、読むひとがいればいるほど分岐が増える。と彼は言った。水上バスのような小さな船から見上げた黒い倉庫。海に近づいていた。私は、書かれない文字を待っている。