ディプロの2009年5月の記事
『翻訳とは読むこと(逆も真なり)』
アルベルト・マングェル(Alberto Manguel)アルゼンチン系カナダ人作家
http://www.diplo.jp/articles09/0905-3.html
この読者=翻訳者は、ページに固定されたテキストのかわりに、決して一カ所にとどまることのない遊牧民的なテキストを提唱する。ここにこそ、翻訳という芸の感動的なパラドクスがある。こうした恒常的な移動、こうした絶え間ない探検を通じて、一個の文学作品は、芸術作品につきものの不確かで偶然的な性質を薄めた何ものかになり、内在的な不朽性とでも言うべきものを奇跡的にも獲得できるのだ。
読者の際限のない仕事