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お前

古川日出男の聖家族を読んでて『お前』っていう人称について考えさせられています。
"You"でも"あなた"でも"君"でもなく"お前"っていう単語がなんだか。
『御前・おんまえ』って敬う言葉なのに『お前』はさげすみだよね。他者(読者)の扱いの変容。

お前は、「前」に接頭語の「御(お)」が付いた語。
元々、お前は神仏や貴人の前を敬っていう語で、現在でも「みまえ(御前)」や「おんまえ(御前)」は、神仏の前をいう語として用いられている。
のちに、貴人を敬う気持ちから直接さすことを避け、間接的にさす代名詞として「お前」が用いられるようになった。
江戸初期までは高い敬意をもって用いられたが、「貴様」と同じく次第に敬意の意味が薄れ、明治以降は同等や目下の者をさす語となった。
http://gogen-allguide.com/o/omae.html

"さん"を付けた『お前さん』っていう語は連れ合いへの愛情を持った呼びかけのようにも感じる。
おまえ小説とかジャンルを作って何か書くと面白いかもね。


私の現前に立つ人への呼びかけは"承認の希求"の照射行為、"お前"は受け止めを当然とする相手に対する極度の油断(半ば信頼)。
目の前にいない御前を"読者"と呼ぶのだな。
SOMEONE!誰か!という叫びを受け止める"読者"は御前にはいない、文学の悲しみであり世界で唯一の希望。


恋愛、ねえ…。我々の、恋愛。


(余談)OH!私は目の前の人を信頼していないのかもしれないという問題系に今直面した!