アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)asin:4043636032
アラビアの夜の種族 II (角川文庫)asin:4043636040
アラビアの夜の種族 III (角川文庫)asin:4043636059
長かった。しかし面白かった。
三巻に入ってからの叙述の高揚感は異常で、読んでいるこっちも止まらない。物語の構造もそれを助長する。
ずっと半身浴しながら読んでいたので、最後は逆上せてしまうかと思った。
古川日出男氏の小説の根本原理は一つだと思っているので、物語がどういう構造でどういう進み行きかはなんとなく予想はついていた。今回もそれにブレはなかった。だから「裏切られた」みたいなものを楽しんでいたのではない。じゃあ私が彼の小説の何を愛でているのかと言えば、レトリックが良いのだ。それを書いている時の作者のグルーヴが感じられるレトリック。ときにクールでときにキザで、Liveである。なんとなく演劇に似ている。ナラティブ。そこにたまらない魅力があると感じる。
男友達が「俺はそれが苦手」って言ってたのも頷ける。私が川上さんとか多和田さんの小説が上手に読めないのとおあいこだね、多分。
さて、明日からの半身浴のお供がなくなってしまった、次は何を読めば良いのやら。
レコメンド求む。