随分と昔、大学生のころ。
どこかのギャラリーにふらりと立ち寄った際、展示中の作家がつぶやいた一言。
「君は、哲学とかそういうのはそこそこにして、作品を作っていってほしい」
彼とはその場でちょっと話しただけだったが、その決定的な一言を言われて「しまった」と思った。
中にも、外にも行けなくなった。
グレーな狭間で、もしくは内外を高速で行ったり来たりしながら過ごしてきた。
一方に、一気にものすごく傾く、という方法を考えているのだが、それが功を奏するかは分からない。
暗示の外に出るには、さらに強力な暗示が必要だ。
困ったものだ!