第九百八十夜【0980】 CORE
グレン・グールド『グレン・グールド著作集』(1・2) 1990 みすず書房 Glenn Gould :Glenn Gould Reader 1984 野水瑞穂 訳
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya.html
グールドがやってみせたことは、ぼくが感じることでいえば、きっと次の3つのことだった。
ひとつ、様式は一挙に混淆する(そのほうがいい)。ひとつ、技術は内容を超えるときがある(技術が未熟ならば、かえって内容を殺すこともある)。ひとつ、構造は自由の邪魔をする(だからスコアの指示を読み替えなさい)、である。
ここには、何があるかといえば、「比類のない芸術精度は、よく練られた逸脱をもってしか表現できない」ということが提示されている。この「精度と逸脱の関係」のメトリック(韻律法)を感じることこそは、今日のアートシーンがこっそり引き継ぐべきことだ。とくに現代美術家と技術思想屋たちは(この二つが結託しているのが、今日の最大の不幸であるが)、このことを肝に銘ずるとよい。
銘じます、、、。うむむ、、、。大きなメッセージだなぁ。