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animation for concepts / 佐藤雅彦 放送メモ

『考え方』が動きだす 〜佐藤雅彦研究室のアニメーション・スタディ〜
animation for concepts
1月3日 22時30分〜 1時間番組
出演:佐藤雅彦 ピーター・バラカン 慶應大学佐藤雅彦研究室
撮影:ホンマタカシ ほか  
従来のアニメーションとまったく違う流れが、生まれている。慶應大学佐藤雅彦研究室が生むアニメーションが、それである。佐藤研の作るアニメーションは、最初から感性に委ねるのではなく、どれも『考え方』ということを基にしている。一口に考え方といっても数多くあるが、例えば、計算機科学や脳科学といった分野にその基を求め、それを研究、発展させ視覚化させている。

佐藤研としては、制作したアニメーションの公開は初めて。
番組中では、佐藤研が制作した数多くのアニメーション映像を中心に、その基になっている概念・原理の解説や映像制作の様子、佐藤雅彦の講義(ワークショップ)、脳科学の実験の様子等をはさみつつ新しい表現方法を伝える。
MASAHIKO SATO | TOPICSより



■放送内容レポートと感想■
映像がないので至極わかりにくいですが、まぁちょっとしたメモだと思ってください。





1 木構造とアニメーション(計算機科学とアニメーション)

木構造とは
・アニメーションによる説明
  プラモデルツリー|プラモデルを組み立てる過程を樹形図アニメで表す
  迷路の道順(分岐点で枝が分かれる図を作ると2分木の図になる)   


【2分木】<  /rokazコメント(以下@):分木って、分岐のことでしょ
【4分木】田  @ピクセル、どんどん細分化されていく位置情報
四分割を繰り返して行くことにより位置情報を特定して行く
情報を構造化する/ピクセルの概念を理解する


・アニメーションによる説明
 バイナロイド(1:関節パーツか、2:足パーツかをアルゴリスミックに決定していく人工生命的な分岐の発想)
 ドット分割で文字を書くアニメーション
 100円玉の住所/机の上の特定の場所を示すために四分割を繰り返して行く


・ワークショップ映像による説明
 ある画像を木構造による情報に置き換え、さらに画像に変換する


 まず領域分割→木構造化する(樹形図的な四分割の繰り返し)→ドット絵による再現
 便利ポイント☆情報が入っていない部分はそれ以上分割しなくてもいい


立体も同じ様に情報化することが出来る。
コンピュータの仕様しているアルゴリズムを利用してアニメーションを作成する。






2 pro-gramという考え方

pro-gram(前もって 書く)
あらかじめ決められた順番にそって動くもののアニメーション
けなげさを感じる @アルゴリズミックなものの面白さ:アルゴリズム体操のおかしみ/チューリングマシン


・アニメーションによる説明
 ロゴプロッター|X軸とY軸の動きを時間と場所であらわしたプロッター @仕組みが文字で説明しにくい!
 信号|信号機の色が帯になって点灯時間を視覚化している
 通過|あるボリュームをもった立体物が、平面の穴を通り抜ける時の動きを線で表す。@数名で大きな板を運んでドアを通り抜けようとする時の三次元的な思考ね
 山手グラム|電車の運行表のアニメーション
 矢印サッカー|サッカー選手のボールを蹴る先をあらかじめ矢印で示しておく
 原稿用紙|書かれる文字をすでに点線で表示しているアニメーション 
 計算通り
 functional arm  @これは秀逸!
 こうま算






3 脳科学とアニメーション

『タスク』タスクアニメーション、、、task-animation
・アニメーションによる説明
 シングルトレース  @これは難しいなーアニメーションとしてどのように使うのだろうか、、、


☆意味を抽出する脳のはたらき
脳が勝手に抽出・補完してしまうという機能のおもしろさ→脳科学に接近しようとしている


・アニメーションによる説明
 羽虫(点が一瞬図像になる KINOのdotsですね)
 歩く人(アニメーテッド関節点)






わかるという事、考え方をもとに表現を作る
entertainment から interest へ
観客が主体的に作品と関わる表現
インタラクティブの本質に近づこうという試みですね






感想

@わかった!佐藤さんは科学的言語を使って芸術のありかと方法を証明しようと思ってるんだ!!
実験の内容的には、脳科学のスタンダード(というか基礎)なのかな、と思うけど、アプローチの入り口が芸術サイドなんですよね。
でも、、、芸術のありか云々って話は、結局は脳科学の進歩待ちーという状況。科学的な方法を使っての解明・進展に期待して依拠してます。(哲学や美学の状況ったら!ねえ。)


「芸術サイド」ってどう言う意味で使っているかといえば、アウトプット(アニメーション)が『!(驚き)』を提供するように「デザイン」されているので、科学的な根拠や意味がなくても、それだけで魅力的なモノとして成り立ってしまう。ということです。
『今、地道にやってるこの作業は、無駄じゃないよね、って思える』。
そこが科学からのアプローチとは違うところ。このプログラムを見て、口惜しく思った理系の学生とかいるんじゃないかな。


脳科学において「芸術がどうして芸術なのか」という命題が立てられる日なんて、まだまだ先の先の先の先の話。
クオリアの茂木さんなどが話題になりつつも、あるところでは眉唾扱いされてしまっている現実を考えると、相当難しいなぁ、と思う。


数々の矛盾や批判をアクロバティックに交わしながら真理を目指さなくてはいけない。
いまのところ、「芸術サイドからだけでは解明も証明もできない、なぜなら脳科学がまだそこまで来ていないから」という立脚点にたって、お茶濁しをしていると言われかねない。
また、「芸術がなぜ芸術なのか」ということが証明できないからこそ芸術は崇高なのだという思想すらあるのだから!
でも、、、佐藤さんなら出来るような気がする、、、。そういう人な気がする。




んで、結局。task-animationを簡単にまとめると。
ハード面:ヒトの input system (情報が入力される仕組み 認知、意味抽出のプロセス)
ソフト面:アートの expression method (表現のメソッド この場合アニメーション)
の基本学習をして、それから各種状況の分析とカテゴライズをしていこうってことなのね、、、。






さいごに、、、もう一度、アニメーションの上映

プラモデルツリー/仮想工場/棒のコピー機/b(バスケットボールをする人の関節点)/kd木探し/通過/上下左右/single trace 2/double trace/信号/仮想工場2/原稿用紙/ボクス木/動きの分解@秀逸!/b2(バスケ)