近所のカフェで、ツエランの"ヴコヴィーナ"より「ある戦士」を読んだ。
昼間まではクリアで軽かった頭が、夜になるにつれて混乱してきた。
絶句したまま動けなくなる夜半。たいてい夜は饒舌になる筈なのに、さて、と拍子木でも打たない限りその沈黙から動くことができなくなった。
この春に福島に里帰りして出産しようとしていたのを断念した友人の事を強く思う、今、臨月だ。母子ともに健やかであることを祈る。怒りは彼女に似合わない。
無いことには出来ない。これは水論に非ず。魂の事だ。
大江さんは今、小説を書いてはるんかしら。どう考えてらっしゃるんやろ。伺ってみたい、とふと思う。
根拠ない連想を続けるが、ロベルト・ヴァルザーの短編『トゥーンのクライスト』(「ドイツ短篇24」集英社 に収められている) を経由したハインリヒ・フォン・クライストを読んでいこうと決めた。そうだ、大江さんのアナベルリイでててくる『ミヒャエル・コールハース』につなごう。それから、ヨブ記の再読も。
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ミヒャエル・コールハースの運命―或る古記録より (岩波文庫)
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