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和歌山まで!

i felt summer@wakayama,Japan
和歌山城セミ



藤本由紀夫氏の展覧会を見に、ちょっと和歌山まで行ってきました。ご近所に住んでいる仲の良いお友達と二人旅。
これで今回の3カ所同時開催はコンプリした事になります。いやあ、面白かった。


展示は、1階"FUJIMOTO and":コラボレーション/2階"ハッピーコンセプチュアル-杉山知子+藤本由紀夫"と、二種類の企画があった。

1階"FUJIMOTO and":コラボレーション

1階は、長岡綾子さんとの共作の本"A STORY VOLUME1""2"からはじまり、永原康史さんとの共作シリーズ(マラルメ/キャロル/タルホなど)、イチハラヒロコさんとの共作、デュシャンのスピーチの声が響く"THE CREATIVE ACT"、森村泰昌さんとの共作"窓"などなど。
また、新作と思われるブリジット・ライリーの作品との関係性を持つ作品"SEEING RILEY"まで、そんなに大きくはない展示室に盛りだくさんの内容でした。
個人的には、この部屋で聞くデュシャンの"THE CREATIVE ACT"が心に響きました。
会場には小学生のグループや家族連れなどが多く、これ英文だけではわからないだろうな、というか聞く気もないだろうなと思って残念な気持ちになりました。彼らは、イチハラヒロコさんとの共作「TALKING ICHIHARA」に夢中でした。たしかにイチハラさんの作品にはそういう力があるなと思った。

2階"ハッピーコンセプチュアル-杉山知子+藤本由紀夫"

2階は、杉山知子さんと藤本さんの作品展示。ハッピーコンセプチュアルというタイトルと、以前藤本さんから伺っていた構想、そしてみせていただいた会場模型のことを思い出しながら入場しました。


入口は薄暗く、正面のどんつきに一枚飾られた杉山さんの絵が、印象的に見えます。ここで、藤本さんの展覧会と思って見にきた人に「あれ?」と思わせます。
会場に入ると、1階とはうってかわってとても広い空間。間仕切りなしのだだっ広い会場の壁面をいっぱいに飾る杉山さんの絵。点と線、デフォルメされた家のかたちが並びます。
1日1日を点と線でつなぐ杉山さんの絵は、柔らかいタッチで描かれています。しかし、私にはオブセッショナルな風に見えてしまって、急に怖くなってしまいました。そこに、次第に形や色、意味などの関係性をもって登場してくる藤本作品。うーん、そうか、と思いながらもすたすたと早歩きになっています。


ホールでは杉山さんの絵のとゴーっという音が響いてくる映像作品。ホールの中は黒くて広くて、家の絵はゆらゆら蜃気楼のように揺れていて、私はとっさに「地震だ」と思いました。
ひとりで勝手に迷い込んでしまった、そう思いました。ここは意図的にそうしたのか、私が勝手に行き過ぎたのかはわかりませんが、緊張したのを今でも覚えています。


ホールから出て進むと、次第に藤本さんの作品が増えてくる。
杉山さんの作品と藤本さんの作品が半々くらいの量になったころ、そこはCAP HOUSEになっていた。
そして行程の最後には、スリットの入った鏡が飾られていたのでした。
なるほど。なるほど。



ハッピーコンセプチュアルというタイトルだけれど、私にはその場がとてもヘビーに感じて、友達を置き去りにして出てきてしまいました。
友達は全然そんな雰囲気がなかったから、なんでかなぁ。と未だに自分でも理由は分からず。


美術館の写真

黒川建築。結構居心地が良かった。エントランス左、受付前の円柱に無理矢理四角いカバーをつけているのは良くない。


art museum@wakayama,Japan


フォルムが
art museum@wakayama,Japan
art museum@wakayama,Japan


和歌山県立博物館 地獄/能面

併設の博物館に入る。縄文時代から現代まで、和歌山の歴史を追うように展示されている。
やっぱり熊野信仰が面白い。熊野観心十界図:ちょっとトンチキな曼荼羅絵にかぶりつきになる私と、苦笑する友人。


同時開催されていた企画展"地獄と極楽 ―“あの世”のイメージ―"がとっても面白くて、満足した。

地獄と極楽・東照宮の仮面―コラム―
http://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/h&h/colum.htm

十王図の記号的な部分が、ちょっと勉強した今だと、よく読める。
うすでぐちゃぐちゃにつぶされてるヒトの絵とかひどすぎる。これ当時の人が見たら、卒倒したんじゃないかな。
最後に、地蔵菩薩の絵が飾ってあってホっとした。


展示されていた"行道面・鬼面"がすっごく良かった。
紀州東照宮のお祭りで行われる行列 面掛(めんかけ)で使われる仮面の数々。もともとの造形が面白いのに加えて、度々繰り返されたのであろう追加ペインティングの滑稽さ。追加の着色をはがしてもともとの彫りを見ようという調査もされているみたい。
個人的には、繊細に彫り貫かれた表情のかたちも、継ぎ足されていった色味の不器用で無骨なユーモアも、双方魅力を感じた。


いろいろな種類の面が並ぶ中、どのイケメンが好きー?とか、なるならどの顔がいいー?とか言って、すっごくはしゃいでしまい、友達を困らせた。


一緒に行った友達の、大事なお友達夫婦のお宅にお邪魔することになっていた。
私ははじめて会う方達で、人見知りの私は結構ドキドキしてたのですが、連れていたベイビーの可愛さに人見知りせずにお話しできました。とっても気さくで素敵なご夫婦。


海辺のカフェに連れて行ってもらいました。海の家みたいな感じの。
近所のひとが和みにくる場所。ラスタ的なお店の人たち。サンセット。黒い犬。対岸のとれとれ市場と観覧車。
暗くなるまで。波に足をひたして、指の間に入り込む砂の感触。


beach@wakayama,Japan
beach@wakayama,Japan


銭湯

ダンナさまのご実家に。やさしく手厚いおもてなしをしてくださるご両親。ホント、感謝してもしきれません。
近くのスーパー銭湯に行く。ほへ〜、そしてマミーのむ。腰に手を当て、マミー。


夜半まで

建築をなさっているダンナさんと、友人と私とで、遅くまで語る。
建築している人の視点ってなかなか聞けないから興味深い。空間に対するスタンスが違うな、と思った。
でも、やっぱりやっている事の構造は違わなかった。



翌日に続く