今日は授業を終えてから足早にシアタードラマシティに向かい、シティボーイズミックスPRESENTS「マンドラゴラの降る沼」を見てきました。
DVDでこれまでの作品は全部見たCB大好きっ娘のワタクシですが、生で見るのは『夏への無意識』以来であります。このときはCB三人だけの芝居でしたが、今回は +中村有志&いとうせいこうというゴールデン客演、そして銀粉蝶さんというメンバー。
あああ、いとうさん五年ぶりですか(涙 今回は、いとうさんが生で見られるなら絶対行きますーと予約しました。
CB<いとうさん (もしくはいとうさん+CB=∞) すみません
ちなみに生いとうさんは千夜千冊のブックパーティぶり。
東京では、テントでの公演だったのですが、大阪では劇場。
きっと雰囲気が違って見えただろうなと思うので、テント公演も見てみたかった。
WOWOWはテント分かな。とにかくテレビ版も楽しみ。
(以下見てない人は少し内容を含むので注意)
しょっぱなから不条理設定がきて「よし」と小さくガッツポーズ。私の好きなCBmixだ、間違いない。
『これ、「土に埋まってるひとたちのコント」のひきつぎ系かしら。ハイキングの格好は「リス鍋のコント」を思い出させるわ』などなど、とにかくゴールデン5を間近で見て胸が躍る。鼻息荒く、「これよこれよ〜!」(ここでメモを手放して鑑賞に没入。一個目のコントでメモはあきらめた 苦笑)
●Passionと滅私の狭間:ポジティブなマイナスイオンとネガティブなオーラ婦人
アングラ演劇の持つ独特なPassion(無意味なまでの熱情)と、時が経ったのち、それをやっていたころを再現する気恥ずかしさ。
過去の愚行(気恥ずかしさ程度の意ですよ)を再演し、これから最後まで残された時間について、シミュレーションを繰り返す滑稽さ。
全体的にペシミスティックな態度を感じた。そうなの?ほんとうにそうなの?と内心寂しさを覚えつつ、でも表面的には膝をたたいて大爆笑してました。
それはCBの今後の事とか、いとうさんの悩んでる感じとかとオーバーラップしてみえてきた。
今回は多分、脚本の裾をいとうさんがキュっとシメてたのだと思う。演劇的にすごく良くて、満足度が高かった。
正直、ここ数年のCBmixは、面白いんだけどただナンセンスって感じで物足りなくて、でも今回は私の好きなCBmixでした。私の好きなCBはいとうさんと中村さんのいるCBmixってことか。
構成にいとうさんの名前が入ってるってことは、はじめと最後のあたり、あとは全体のキャラクターやモチーフの配分などの骨組みをやらはったと思うんだけどね(予想)。
だからこそ、私にはこの脚本のモチーフとして“過去の再演という愚行”とか“核”とか、「さようなら!私の本よ」と呼応してるなぁと思って見てしまったんだけど(多分きっとそうだけど)。
その辺り、帰りの電車でちょっと考えてました。
●核と物語/的外れな滑稽さ
物語が書けないのは、現実があまりに切実すぎるから。真面目に考えれば考えるほど、切実さが増して、物語ではダメだとなってしまう。誰かの作った的外れな物語にきびしくダメだしする理性が、どんどん自分を追い込む。そうして自分が書けなっていく。
それは私にとっても根深い問題で、それに根気強く立ち向かっている(ように見える)いとうさんを見続けている理由は、そのあたりにある。
CBは自由に想像の触手を広げて好き放題やってる(ように見える)。いとうさんがそこに厳しいツッコミをいれることによって笑いがうまれるわけなんだけど、最後に大竹さんはツッコむな、最後まで見てろ、といっていとうさんを置いて出て行く。でも結局は「原子力発電所はつるのおんがえしの鶴がつくったものだー」なんてくっだらないオチをつける。そして現実の観客からは「馬鹿にするな」というアンケートが来る。でも確実にその場所にしか物語は存在しえないわけで。うぬぬぬぬ。
ギャグはあんなにナンセンスで下らなくて爆笑なのに、いったん悩み始めるとなぁ、、、、。
●ホラーコント:大竹さんの「無条件の贈与」男
とっても不気味でひっかかってる。
あらがえない無条件の贈与ってなんだ?なんだろう?ものすごく怖い。
いらないって言えない理由はなんだ、そしてあれに感じる嫌悪はなんだ?プレゼントなのにテロのような感じ。。。
あれが今回の公演の中で一番気になる。
無条件の贈与をする男なのに、なぜ奥さんを怒鳴ったんだろう。アメリカのことかな、と思ったけど、どうも違うみたい。
どうしてあの団地の関係性にまったく関係のなかった いとうさんだけ、最後まであの場所から抜け出せなかったのだろう。写真を撮られたあと、どうなったのだっけ??うわああああ、怖い、泣きそう。
wowowで確認しよう。。。
そうそう、あと、うでまくらで寝ちゃったあと、大竹さんが大きな声をだしてもいとうさんが眼をさまさないのがとっても怖かった。正直、泣きそうだった。
あの時、大竹さんは耳元で何の話をしてたんだっけ?
wowowで確認しよう。。。
崖から落ちるまでの時間、お茶でも呑みましょうか、いや、温泉でも入りましょうって、、、。
いとうさんは既に枯れの方にずぶり足を踏み入れているみたい。
だけど、私はもう少し待ってほしいと思った。何かもう少し道を指し示すよう照らしてほしい、そうでないと、私はこのままこの場所で立ち尽くしてしまいそうな気がするなぁ、、、。
帰りの電車の中でパンフレットを読んでいて、いとうさんのエッセイでものすごく悲しくなった。
この文章を見る事は無いと思うけど、いとうさんに言っておきたい。
いとうさん、なんで最初なのさ、最初に落ちちゃダメだよ!!!!!!!ほんとに、絶対!!!!!!!!
最後あのハイキングルックじゃなくてスーツに着替えて出て来たのだけが救いに感じました。(深読みしすぎか?いやそうでもなかろう)
大竹さんがすっごいテンションで何度も二塁ベースに駆け込んでいくスケッチが有るんだけど、そこでちょっとジーンときた。(見るべき場所は絶対違うと思うけど)
あとは、マイナスイオンの斉木さんと、人間大砲で飛んでやるって息巻いて新しいねじを手に入れたきたろうさんが光さす希望だね。
CB熱いよ。