空ばかり見ていた 吉田篤弘
2006/01/30発売予定
旅する床屋をめぐる風変わりでうつくしい余韻のある作品集。現実と夢想がゆるやかに混じりあい、濃密な物語の世界へと誘います
少年の街にいた不思議な床屋は、パリ帰りでパントマイムの名手だった。名前はホクト。彼はある日店を閉め、旅に出る。あらゆる場所で出会うひとびとの髪を切るために。そんなふうに旅する床屋をめぐる物語が始まります。天使の羽根という名の仏蘭西菓子〈マアト〉/夜食べるトースト/〈墜落した“天使”の残骸〉/浜辺の散髪/〈いないはずの叔母〉の黒くて甘いケーキ/8の字パン/ガラスの涙壺。頁を彩る小さくて完全な美しいものたち。ゆったりとした時間を連れてくる短篇集です。(OY)
書誌データ 定価(税込) 1800 円
文藝春秋
ページ数 320ページ
判型 四六判上製カバー装
初版発行日 2006/01/30
ISBN:4163246207
http://www.bunshun.co.jp/book_db/html/3/24/62/4163246207.shtml