いわゆるのまネコ問題について 1 はここ
◆http://d.hatena.ne.jp/rokaz/20051009#p2
↑ここで、ポピュラー音楽などを扱う業界周辺とプログラムなどを扱うコンピュータ業界周辺における「著作権」意識の違いが大きいかも、と書いたら、どこがどのように違うと思うの?というメッセージをもらい、ちょっと考えてみました。
注)この問題について興味を持ってキーワードでたどってくる方へ
以下の内容については、詳しく検証したわけでもない、個人的な印象と雑観です。
私が興味を覚えたのは「なぜ今回のケースがおこったのか」というアバウトな印象論の問題です。
法律とか細かい事をしらべていけば、どんどん現実的な落としどころは見えてくるとは思いますが、そうすると、問題の根本原因とは違った部分にフォーカスがあって行くと思います。(その辺りは、専門家にお任せしたいと思います。)
前提:私の印象
ポピュラー音楽のオリジナリティは その音色(おんしょく 歌ものなら声も含めて)とリズム、 メロディの組み合わせが『独特な印象か』という点にある。 :今回の場合、歌詞問題は割愛。
プログラムのオリジナリティは ソースコードの組み合わせもさることながら、 まずはその仕組みの発想点に認められるものである。
前提からの発展:キーワード化
ポピュラー音楽 ●組み合わせのバリエーション、差異の宣言
メロディラインがちょっと違うから別の曲、とみなす必要性がある。
似ている曲から引き離すために「別です」と言い切らないといけないので、分かりやすい差異をつけるケース。
★そしてなにより、「商売」である。現著作権法により「違っていないといけない」という前提がある。
十二平均律音階の中での組み合わせですよ、ポピュラー音楽としての起承転結的なコード進行が求められるし、流行のスタイルもあるから、余計に組み合わせは絞られる。そりゃ似てきますって、と思う。
今回の場合、分かりやすい差異ってのは、口元を「∀」から「w」にしたことかと思われる。
『ねっ?口元がちがうでしょ?これはモナじゃなくてネコちゃんなんですよ。だから商標登録しますね。』
もちろん、天然じゃなくて意図的にですよ。意図といっても、ある種、業界の慣例的なものかもしれない。
AA ●発見からの進化、淘汰、新種発生
∀ ←これが口に見えると気づいた人、それを見て派生していくAA。
その発見によりバリエーションとして発生するいくつかのAA。
フォントファミリーのように、同じ原型を持ち、さらに別の物という発想。
その中で、突出した別のものが生まれたとき、新種(別キャラ)としてみなされる。
このたとえの場合、「∀ ←これが口に見えると気づいた人」がまず大事なわけですけど、それ以降どんどん増える組み合わせの中から、他のキャラクターも出て来た訳ですよね。
ソースコードが、他人の作ったコンポーネントでも、それを組み合わせたものが使われて発生する価値がオリジナルであればよい。という感じかしら。
もちろん、便利なコンポーネントを作った人の権利はあるし、便利なものを作ってくれてありがとうという感謝の心はあります。
多分AA好きな人の心情的には、「AAをインスパイヤして生まれた非AA的オリジナルキャラクター」ではなく、「もなーから派生してできた非AA的一種をピックアップし、飾り付けて人気者にしたいとおもう。ひいてはそれが今後のAA文化の発展につながると思う。」と言われればまだ良かったのかもしれない。(後出しで、社長からそのような発言はあったが、ちょっと遅かったかも。)
memo:
種々の議論を見てきた中で、印象的だった一言として、「淘汰なしでオリジナルと宣言する事に腹が立つ」というものがあった。
これは、もなーに似た他のAAは、使用している記号がひとつ違うだけで別のキャラクターと見なされているのに、なぜのまネコだけオリジナルだというと騒ぎになるのかという疑問に答える一言だったと思う。
個人的には、派生の過程でのイレギュラーな突出による新しい価値の誕生、というほうが「オリジナル」って意味では真理に近いと思うんだけどな。
無理矢理差異を見つけてオリジナリティだと強調するよりも、いろいろやってるうちに明らかに珍妙で新種なものが出て来たときのほうが、たとえ明示されていなくてもオリジナリティを感じる。。。