『点と点は結びつきたがる』
俳句/たった三語の単語の配置によって、詠まれた空間を把握しようとする鑑賞者のこころの動きに興味を持っている。
一点の単体ではごく弱い情報の素のようなものが、点が二つ、三つ、と近づくと、有機体のように互いを結びつけていく。それは、作者が提示した三つの単語の意味を越えて空間的に広がって行く場合がある。
ここで注目したいのは、点を配置するのは作者だが、その点をつなぐのは鑑賞者である、という所である。
作者がどこにどのように点を配置するかよりも、その点を鑑賞者がどのように繋いでいくかを注視してみたい。