『一般システム理論』
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0521.html
まず、生物がどのように自分という生命体を自立させ、外部の環境と相互作用をおこし、それをとりこんで自律性を発揮していくのかを調べた。そのうえで、ベルタランフィは生物を「開放システム」とみなし、生命体の各部がつねに「自己」をとりまく環境とのあいだを動的に調整しながらオーガニックな自己編成をしていると見た。
そして、この自己編成力ともいうべきものの鍵を握っているのはおそらく「情報」であろうと見当をつけた。まだ、ウィナーのサイバネティクスもシャノンの情報通信理論も、まして自己組織化理論も登場していなかった時期である。
この生物体の開放システムに対して、大半の非生命的なシステムは川や炎のような例外をのぞいて「閉鎖システム」になっている。それらは環境から情報を自主的にとりこまないし、自分で成長することがない。
したがって閉鎖システムは、エントロピーの増大を回避するすべをもっていないし、他者とみずから交わることもない。あえて交わるには、そこに情報のなんらかのコーディングと送信と、その受信とデコーディングとが必要となる。とくに機械とはそういうものではないか。ベルタランフィはそこまで踏みこんだ。これは、まさにシャノンの情報通信理論の予見といってよかった。
そうなのだ、認識とはまさしく適用なのである。
そして何かに適用することが、何かの認識の本来の定着なのである。そのように認識を何かに適用するために、認識と適用のあいだに「システム」が必要なのである!